【本】『よく生きる智慧 完全新訳版『預言者』 柳澤桂子


 魂は無数の花びらをもつ睡蓮のように自ら開くのだ。



よく生きる智慧~完全新訳版『預言者』ンシンヤクバンヨゲンシャ~よく生きる智慧~完全新訳版『預言者』ンシンヤクバンヨゲンシャ~
(2008/12/02)
柳澤 桂子

商品詳細を見る


『預言者(The Prophet)』は、
1923年に出版された後、世界20数ヶ国語に訳され、
2000万人以上の人々に読まれた名著であり、
アメリカでは「聖書の次によく売れた本」と評される作品だそうです。

難病で現在も闘病中の科学者、柳澤桂子さんが翻訳をされており、
作品についてのエッセイが最初に掲載されています。
病の苦しみを知る柳澤さんが「魂の救済でした。」と書いていることで、
読んでみようと手に取った本でした。

内容ですが、
オーファリーズという海辺の街を離れることを決意した預言者アルムスタファが、
別れを惜しむ街の人々から生きる智慧について教えて欲しいと請われ、
27のテーマについて語る、という形を取っています。

語られるテーマは「愛」「苦しみ」「自分を知る」「働くこと」「死」など、
どれもどんな人にとっても普遍的なテーマを扱っています。

詩のような語り口調なので、抽象的で分かりづらい部分もありますが、
美しい言葉と文章は心に優しく入り込んできます。
訳者の柳澤さんには失礼ですが、原書で読んでみたいなと思いました。

初めて読んだ時には、正直なところピンと来ませんでした。
ところが時を改めて何気なく読んでみたところ、しみこむしみこむ。
肩の力を抜いて、何も考えずに読むのが一番かと思います。

いつでも手に届く所に置いておいて、読み返したい本。
読む度に何かが見えるのではないかと思いました。




原書は600円台!ええ、買いますとも。

The Prophet (Wordsworth Classics)The Prophet (Wordsworth Classics)
(1997/08)
Kahlil Gibran

商品詳細を見る
hinatadenukunuku
メンタル・スピリチュアル
0 0

thema:読んだ本。 - genre:本・雑誌


【本】『われらが歌う時』 リチャード・パワーズ


 「鳥と魚は鳥魚になることができるよ。魚と鳥はね、魚鳥になるんだよ。」



われらが歌う時 上われらが歌う時 上
(2008/07/30)
リチャード・パワーズ

商品詳細を見る

われらが歌う時 下われらが歌う時 下
(2008/07/30)
リチャード・パワーズ

商品詳細を見る


人種差別問題を扱った作品です。

第二次世界大戦前のアメリカ。
まだ多くの州で白人と黒人の結婚が認められていなかった時代に、
ユダヤ系ドイツ人白人物理学者と、
声楽家を目指すアメリカ黒人女性が出会い、結婚します。
生まれた3人の子供達。
長兄は天賦の歌の才能を持ち声楽家の道を進み、
弟は兄の伴奏者として付き従います。
妹は兄2人に反発して別の道を選びます。

物語は中間子である弟ジョーイの視点で語られていくのですが、
母の専門であり、両親と子供達の共通点であった音楽と、
父の専門である物理学の時間に対する考え方が、
2大テーマとして作品の中に貫かれています。

「時間には過去も現在も未来もない」という父の持論の通り、
この物語も現在と過去を交差しながら進んでいきます。

彼ら家族の4代に渡るストーリーを追いながら、
同時にアメリカにおける公民権運動の歴史と、
世代によって変わっていく人種観を知ることが出来る点が圧巻でした。

人種問題というのがこんなにも複雑なものだったとは…。

バラバラになりかけていた一族が再び輪に戻っていくラストは、
あっと驚く仕掛けと共に良い力技だなと思いました。

日本に暮らしているとよく分からない人種問題というものを、
実際に体験することが出来る(ように感じられる)作品でした。
本当はもっと根深くて複雑な問題なのだろうけれども…。

こういう作品は意外と少ないのではないかと思います。
hinatadenukunuku
海外小説
0 0

thema:読んだ本。 - genre:本・雑誌


【本】『美しい夏』 チェーザレ・パヴェーゼ


 「あたしをつれて行って」



美しい夏 (岩波文庫)美しい夏 (岩波文庫)
(2006/10)
パヴェーゼ

商品詳細を見る


1940年、ファシスト政権下のイタリアを舞台に、
16歳のジーニアと19歳のアメーリアというふたりの女性を描いた作品。

都会で働く生真面目で初心なジーニアと、絵のモデルをしているアメーリア。
兄と二人暮しで孤独なジーニアは、成熟したアメーリアに憧れ、
アメーリアの行く所に常に一緒に行くようになります。
そしてジーニアは…。

著者のパヴェーゼは、
ファシスト政権下で反ファシストの思想犯として逮捕された経歴があり、
その思想がこの作品にも色濃く表れていると感じました。
重苦しい雰囲気の中、破滅していくしかない女性達。

彼女達の“美しい夏”の、何と哀しくて痛々しいことか。
ジーニアの最後の台詞といい、とても切ない物語でした。
hinatadenukunuku
海外小説
0 0

thema:読んだ本 - genre:本・雑誌


【音楽】Happy Birthday Timothy B. Schmit !!!


ティモシー・B・シュミット様、62歳おめでとうございます。

m_0f1b6fb3a6d54bcd8e8512123f6224e0.jpg


常々世界一偏愛しているボーカリストとこのブログで叫んでおりましたが、
無事に還暦から2年目を迎えられて何よりでございます。

さらに今年は8年振りのソロアルバムが発売されたばかり!
じゃーん!!これです。

ExpandoExpando
(2009/10/20)
Timothy B. Schmit

商品詳細を見る


…でもまだ手に入れていません…。ごめんなさい、ティモシー…。
視聴して、これダメかもと思ってしまいました…。
(下のリンクから視聴出来るページに飛びます)。

http://www.amazon.com/Expando-Timothy-B-Schmit/dp/B002NPUCQ2/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=music&qid=1256911292&sr=8-1

★Timothy B. Schmit MySpace(2曲フル視聴可)
http://www.myspace.com/timothybschmit

本人がインタビューで「自分がやりたいと思っていたことがやっと出来た。」
というようなことを言っていたので、どんなかなーと思っていたのですが。
結局カントリーロックとフォークなのね…。いやフォークは想像が付いていたけれども。
カントリー苦手としてはどうも食指が…。

でも必ずニューアルバムは買いますので、
その際にはまたこのブログに書きたいと思っています。

取り急ぎ、まずはお祝いまで。

追伸:来年はぜひイーグルスでいいので来日して下さい。お待ちしておりますです。
hinatadenukunuku
音楽
1 0

thema:音楽のある生活 - genre:音楽


【本】『アメリカの鳥たち』 ローリー・ムーア


 天国よ、どうですか?ほら、これがすべてです、どうですか?



アメリカの鳥たちアメリカの鳥たち
(2000/05)
ローリー ムーア

商品詳細を見る


12の短篇作品が収められた、短篇集です。

とてつもなくリアルでした…。
どの作品も30代後半以降のアメリカ人が主人公です。
30代も半ばを過ぎれば、人生から得るものには、
悲しみや虚しさが増えてくるものだと思います。
仕事、恋愛、結婚生活、親子関係等々…。
それらをシニカルに描いていて、なおかつそのやるせなさがとても生々しくて、
読んでいて鬱な気分になってしまいました。

それぞれの作品に鳥が登場するのですが、
幸せの青い鳥、というよりは、
自由に飛びたいのに飛べない現代の人々を象徴しているように感じられました。

人間のやりきれない部分を掬い取った視点は素晴らしいと思いましたし、
希望を持って終わる作品もあるのですが、私には合いませんでした。
現実を突きつけられた感じで、落ち込んでしまいました。
hinatadenukunuku
海外小説
0 0

thema:読んだ本。 - genre:本・雑誌


| HOME | next