【映画】「クィーン」(スティーブン・フリアーズ監督作品 2006年度)
2007.10.05(Fri)


時代は変わったわ。








英国のエリザベス女王を演じてアカデミー賞を含めた各主演女優賞を獲得しまくった、
ヘレン・ミレンの演技で有名な作品です。
あっという間に時間が過ぎた佳作でした。
(以下ネタバレがあります。)


この作品について、よく英国王室が許可したなというコメントをかなり見かけましたが、
許可するでしょう。
この作品はエリザベス女王の擁護と賛歌がベースとなっているからです。

ダイアナ元皇太子妃が死亡した後の英国王室の沈黙とその後の迷走は、誰もが覚えているのでは。
その理由を説明したかった映画のような気がしてしまいました。

ただ、その沈黙と迷走の理由にこそ、映画になり得る深い意味があった、ということで。
ここがこの映画の最大の見所だと思いました。
エリザベス女王が理想としてきた「女王」や「王室」と、
一般国民が求める「女王」や「王室」とのギャップです。
苦悩するエリザベス女王。

当時のブレア首相がそのギャップを埋めることに奔走しますが、
そこには女王と首相の互いの国民からの人気を得るための駆け引きもあるのです。
その駆け引きは王室内にもあり、
一見ダイアナのことを思っての行動や言動を取るチャールズ皇太子も、
その裏には母親の絶大な人気から自分に注目を集めようとする意図があったりするのです。
この辺りはリアルで面白かったですね。

作品自体は見事な匙加減で、
王室寄りでも王室批判寄りでもない、絶妙なバランスを取っているように見えます。

でも見終われば誰もがこう思うのでは。
王室はともかく、エリザベス女王は素晴らしい人だ、と。

何だか、英国国民の複雑な心の内を見たような作品でした。
特権階級など不要、でも王はいて欲しいという微妙な人間の心理についても考えさせられました。

ヘレン・ミレンは素の顔から女王の顔になる瞬間の表情が印象に残りました。
個人的にはブレア首相が似ているなーと笑えましたね。
チャールズ皇太子だけが似ていなかったのはなぜなのかしらん。

作中に多々使用された、ダイアナ元妃の美しい映像が切なかったです。
【映画】「ザ・ロック」(マイケル・ベイ監督作品 1996年)
2007.06.16(Sat)


農民か詩人になりたかったんだ。



ザ・ロック 特別版 ザ・ロック 特別版
ショーン・コネリー (2005/08/24)
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
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ベトナム戦争の英雄ハメル准将は、
戦死した部下達への政府の対応に不満を抱き、
部下と共にアルカトラズ島を占領します。
観光客81人の人質と、
サンフランシスコ中心部へ向けた生物兵器を武器に政府を脅迫。
それを受けて海兵隊が出撃するのですが、
その中にはFBIの化学兵器の専門家であるグッドスピードと、
脱出不可能と言われたアルカトラズ刑務所から唯一脱出に成功した、
初老男性メイソンの姿も含まれていた―。

テレビ放映されるとつい見てしまう映画です。
ハメル准将を演じているエド・ハリス好きであることと、
メイソンを演じるショーン・コネリーがいいのですよ。

映画自体は良くも悪くも“ハリウッド映画”で、
突っ込みどころ満載です。
でもそれすら魅力にしてしまっているように思います。

主人公グッドスピードはニコラス・ケイジが演じていますが、
アメリカンヒーローとは対照的な、気弱な青年に設定してあるのがまたいいです。
グッドスピードとメイソンの掛け合いがとても楽しく、
この映画最大の魅力となっています。

年を取ってからのショーン・コネリーは、
若い主人公を助けながらも美味しいところを持っていく、
という役ばかりですが、でもそれが一番似合っていますね。
この作品でも、とにかくひたすらカッコイイです。

エド・ハリスは軍人役が似合う人で、
この作品でも渋い魅力を発揮しています。あの青い瞳!
でも今回のこの役はちょっと可哀想だったなと思います。

海兵隊隊長を演じたのがマイケル・ビーン。
「ターミネーター」で知られる人ですが、
誠実で清潔な軍人を爽やかに演じていました。

エド・ハリスとマイケル・ビーンが真面目に演技をしていただけに、
映画が途中からコメディになってしまったのは残念でした。
ふたりのあのシリアスな演技は何だったのかと。

でもそれ以外は本当に楽しめます。
何も考えずに、笑えてスカッとしたい時に、いい映画だと思います。
【映画】「ライトスタッフ」(フィリップ・カウフマン監督作品1983年)
2007.05.28(Mon)

「1人の英雄と7人の栄光の男たち」







アメリカ初の有人宇宙飛行計画「マーキュリー計画」。
1958年から1963年に渡って行われたこの計画で、
初の宇宙飛行士となることを断った1人と、望んで選ばれた7人を描いた物語です。

チャック・イェーガーは第二次世界大戦のエースパイロットであり、
世界で初めて戦闘機で音速を超えた、腕利きのテストパイロット。
そんな彼にアメリカ初の宇宙飛行士への誘いがかかりますが、
イェーガーと仲間達は断ります。
しかし政府は陸海軍から優秀な人材を選抜し、
ライトスタッフ”と呼ばれる7人が決定します。

国家に利用されることを望まず、
あくまでもテストパイロットとして生きようとするイェーガーと、
国家の栄光のために厳しい訓練に明け暮れる7人の対比。

当時アメリカと世界を二分していたソ連との宇宙開発競争。
国家の威信を保つために政治的に利用される宇宙飛行士達。
誰が最初に乗り込むのかという宇宙飛行士間の人間模様。
宇宙飛行士の妻達。
それぞれの描写が多少浅いとはいえ、とても興味深かったです。

驚かされたのが、当時の宇宙船。
現在のスペースシャトルとは全く違う、
船とは名ばかりのアポロチョコレート型の小さなカプセルなのですよ。
よくこんなもので宇宙に行ったなあと。

最初の2人はただ打ち上げてそのまま落ちてくる、というもの。
3人目にしてやっと地球上を回るのですが、
それにより国家的英雄となったジョン・グレン飛行士を、
エド・ハリスが演じています(若い!)。

全体的に当時のアメリカの雰囲気がよく分かって、
それなりに楽しめむことが出来ました。
ただ、イェーガーが英雄であることは調べて初めて分かりましたし、
アメリカ人以外の人にはちょっと不親切かなとも思いました。
逆にアメリカの人には面白かっただろうなと。

イェーガーが馬を駆ってテスト機を見に行くシーンがとても印象に残りました。

原作小説です。未読。
ザ・ライト・スタッフ―七人の宇宙飛行士 / トム・ウルフ、中野圭二 他

個人的にはこちらがおすすめです。
宇宙からの帰還 宇宙からの帰還
立花 隆 (1985/07)
中央公論新社

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【映画】「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」(ケリー・コンラン監督作品 2004年)
2007.04.26(Thu)
アクションものだと思っていたら、ラブコメでした…。

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舞台は1939年のニューヨーク。
著名な科学者連続失踪事件を追いかけていた女性記者ポリーは、
危機一髪のところを“スカイキャプテン”ジョーに救われます。
好き合いながらも素直になれない二人ですが、
結局共に事件を追いかけることに―、という内容。

1939年という時代設定に合わせたような、
セピア色で乳白色に輝く映像はとても美しく、惹き込まれました。
時代に合わせた服装や髪型、カメラなども好みでした。
レトロかつクラシックな雰囲気でありながら、
ロボットや戦闘機などは未来的になっていて、
そのミックス具合もとても良かったと思いました。

問題は内容です。

何の中身もないアメコミのようなストーリーでした。
“スカイキャプテン”というタイトルだけに、
冒険活劇、特に戦闘機のファイトを期待していたのですが、
全くの期待外れであったことが一番の不満点でした。

主人公ジョーを演じたジュード・ロウは、
顔が大きいのか小柄なのか、
そのプロポーションではアクションものの主人公は辛いものがあるな、と。
美形ではあるのですけれども、ヒーロータイプではないですね。

また、グウィネス・パルトロー演じるポリーが典型的なアメリカ人ヒロインで、
その我の強さと頭の悪さにはうんざりさせられました。

そんな二人がひたすらツンデレのラブコメ状態を続けるのですが、
そのコメディのセンスに付いていけませんでした。
ベタすぎて笑えない…。
ラストなんてもう映画館で見ていたら座席を蹴り上げて出て行ったかも。

チラッと出てくるアンジェリーナ・ジョリーは、
あまり軍人に見えなくてもう一つでした。残念。
顔もむくんでいるように映っていましたし。
でも彼女がジョーを助ける飛行シーンだけが、
アクションシーンとしては唯一楽しかったところかもしれません。
やはりカッコいいです、この人は。

内容は突っ込みどころ満載で不満しか残りませんでしたが、
逆にギャグ映画だと思って突っ込みを入れまくりながら見れば楽しいかも。

そして何より映像がとても美しかったです。
これだけが救いでしたし、魅力になっていたと思います。



衣装を担当したのはステラ・マッカートニーだそうです。



★「Gyao」にて無料放送中(5月1日まで)
http://www.gyao.jp/
【映画】『インファナル・アフェア』3部作(アンドリュー・ラウ  アラン・マック監督作品 2002・2003年 )
2007.02.26(Mon)
今年のアカデミー賞作品賞は『ディパーテッド』だったそうなので、本家作品を。
                   ★「ディパーテッド」(日本公式サイト)
                    http://wwws.warnerbros.co.jp/thedeparted/

インファナル・アフェア 3部作スペシャルパック【初回生産限定】 インファナル・アフェア 3部作スペシャルパック【初回生産限定】
アンディ・ラウ (2007/01/17)
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元々香港映画は好きでしたが、この作品も面白かったです。
マフィアから警察に送り込まれたラウ(アンディ・ラウ)と、
警察からマフィアに潜入したヤン(トニー・レオン)。
両者とも互いの組織で地位を築いていきますが、
遂にスパイの存在を警察にもマフィアにも気付かれて…、
というのが大まかなストーリー。

展開と切り替えの早いスタイリッシュな映像、
正体を掴まれれば終わりという緊張感、
全体に漂うダークな雰囲気と、見始めたら止まらないです。

作品は三部仕立てになっていて、
インファナル・アフェア インファナル・アフェア
アラン・マック (2004/02/18)
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これがシリーズ第1作目。本筋です。

次がこれ。
インファナル・アフェアII 無間序曲 インファナル・アフェアII 無間序曲
エディソン・チャン (2006/07/19)
ポニーキャニオン

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シリーズ第2作目はラウとヤンがスパイになるまでの若き日々。
若手俳優が主役を演じています。
この作品ではマフィアのボスと警視の物語、という印象。
このふたりはいい演技をしています。特にボスは凄いです。

そしてシリーズ最後の第三作目がこれ。
インファナル・アフェア III 終極無間 インファナル・アフェア III 終極無間
アンディ・ラウ (2005/09/21)
ポニーキャニオン

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第1作目のその後、です。

「ディパーテッド」はこの3部作を1本にしたものだそうで、
どういう風にまとめたのか興味があります。
また、本家にはない役どころを演じたマーク・ウォールバーグが、
アカデミー助演男優賞にノミネートされており、
こちらもどんなものなのか見てみたいものです。

当初はプラッド・ピットとジョニー・デップが演じるという噂がありましたが、
年齢的に無理だったというのが個人的には残念です。

レオナルド・ディカプリオは一時期どうなるのかと思いましたが、
いい俳優になっていきそうですね。
オスカーを逃し続けていますが、いずれ必ず獲るでしょう、多分。