【本】『家なき鳥』 グロリア・ウィーラン著
2006.05.02(Tue)
13歳で未亡人となったインドの少女コリーの物語。

家なき鳥 家なき鳥
グロリア ウィーラン (2001/12)
白水社

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一家の食い扶持を減らすために娘を嫁に出す。
持参金目当てで嫁を取る。
ある寺院町では当たり前に起こる驚くべき出来事。
―女性にまるで人権のないインドの描写が、
事実だということに驚かされた。

主人公の少女コリーは、13歳にしてそんな社会の中に放り出される。
悲惨と言わざるを得ない状況の中、
著者はコリーを通して、
人生において何が大切なのかということを示していく。

前向きな意志、美しい心、教育、芸術、職、そして、愛。

コリー唯一の財産で、
これだけは失わずにおこうとしていた銀のイヤリングを、
処分されそうになった、
タゴールの詩集と交換してしまうところが印象的だった。
ちなみにタイトルの『家なき鳥』はタゴールの詩から。

ヤングアダルト向けの本だけに、
悲惨な状況とはいえ全体的を通して雰囲気は明るい。
ハッピーエンディングを迎えるが、
お金持ちのハンサムな男性と結婚して終わり、
というものとはちょっと違う点が、いかにも現代向きで好感を持った。

また、コリーが才能を発揮するのが刺繍なのだが、
インドにもキルトがあるとはこの本で初めて知った。
見てみたい。

悲惨な状況に置かれても、
コリーは卑屈になることなく、希望を失わなかった。
どんな状況に置かれようと、
人生を幸せに生きられるかどうかは、自分の心次第なのだ。