【本】『愛の矢車草』 橋本治著
2006.08.13(Sun)
性別と年代の違う4人を主役にした、「愛の4編」。

愛の矢車草―橋本治短篇小説コレクション 愛の矢車草―橋本治短篇小説コレクション
橋本 治 (2006/02)
筑摩書房

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『愛の陽溜り』『愛の狩人』『愛の牡丹雪』『愛の矢車草』
という4つの短篇が収められている。

左から、
男子予備校生の生活を覗き見る女子大生達、
下着泥棒で捕まった中年男性、
女トラック運転手との恋に走った主婦、
一児の父となっていた小学生、
が主人公の話。

作品ごとに取り上げている年代や性別、
家庭環境などが違いながら、
どれもよくこういうところに気が付くな…と感心させられてしまう。

主人公をきっかけに、
その背景をうまく描き出してるのだ。

楽しかったのが、『愛の狩人』。
115枚の女性下着を盗んで捕まった中年男が、
担当の弁護士に経験から得た自説をとうとうと語るという内容。
下着から持ち主がどんな女性か分かる、から始まり、延々と続く。
でも語り口が落語のようで、リズム良く読めてしまう。
終わり方などしりあがり寿の漫画のようだな…と思っていたら、
挿絵がしりあがり寿だったのには笑ってしまった。

他にも高野文子、奥村靫正、吉田秋生がオリジナル挿画を描いている。



私が持っているのは新潮文庫版なので、
挿画が筑摩書房版にも入っているかは未確認です。