【本】『葦切り』 庄野潤三著
2006.12.27(Wed)
ちょっと残念だったかも。

葦切り 葦切り
庄野 潤三 (1992/01)
新潮社

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表題作の小説1編と、エッセイが5編収録されている。

『葦切り』は、「篠崎さん」と著者との会話から、
「篠崎さん」が何をしている人なのか、
これまでどんな体験をしてきたのかが次第に分かってくるという手法。
「篠崎さん」は歌人なので、場面転換にその短歌を使うなど、
構成が上手かった。
ほぼ会話だけでこれだけ話が展開していくのは凄いな、と。

何気ない話を丁寧に書いていて品がある点も相変わらずで好感が持てた。

ただ惜しむらくは、肝心の会話の内容がつまらないこと。
著者の得意とする、「普通の日常生活から幸福を見つけ出すこと」、
が機能しているとは思えなかった。
興味のない人の身の上話を延々と聞かされているという感じ。
終わりに何か感じることがあるだろうと我慢して読み切ったものの、
あっけない終わり方だった。残念。

エッセイも、
取り上げた話題に興味のない人には何も引っかかってこないと思う。

期待していただけに、かなり物足りない読後感だった。