【本】『戦争の犬たち』 フレデリック・フォーサイス著
2007.02.15(Thu)
“鏖殺(みなごろし)の雄哮(おたけび)をあげ 戦いの犬を切って放とう”

戦争の犬たち (上) / 篠原 慎、フレデリック・フォーサイス 他
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戦争の犬たち (下) / 篠原 慎、フレデリック・フォーサイス 他
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タイトルや作品の冒頭に掲載されている、
“鏖殺(みなごろし)の…”というシェークスピアの文章から、
殺戮シーン満載の戦争小説というイメージですが、読んでみると違います。

主人公は英国人傭兵キャット・シャノン。
新たな仕事を探していた彼は、ある英国人の依頼を引き受けます。
それは100日でアフリカ新興国にクーデターを起こし、国を乗っ取ること。
仲間を呼び寄せ準備を始める内に、
シャノンは雇い主の真の意図に気付くことになります。そして―。

ジャッカルの日 / 篠原 慎、フレデリック・フォーサイス 他』でもそうでしたが、
この作品でも依頼された仕事を実行している戦闘シーンよりも、
そこに至るまでの準備のプロセスが事細かに描かれています。
『ジャッカルの日』では主人公は単独行動でしたが、
この作品では主人公に加えて仲間達がおり、
さらに雇い主の方にも部下がいるので、
準備の期間の説明が長く、少々退屈させられました。

長く待たせたあげくにやっと始まった戦闘シーンは短く、
傭兵達の作戦実行シーンを読みたいという人には拍子抜けだと思います。

しかし、著者がこの作品で描きたかったのは、
1つの国を100日で乗っ取るということそのものではなく、
ましてや殺戮シーンを詳細に描き出すことでもありません。

先進国のほんの一握りの特権階級の人々が、
彼ら自身の利益のためだけに、
貧しい後進国、この本ではアフリカの新興国、
を食い物にすることに対する怒りです。

主人公シャノンがラストで雇い主の部下に語る言葉こそ、
著者が最も世界中の読者に伝えたかったことでしょう。



映画化されていますが、未見です。
主人公をクリストファー・ウォーケンが演じているそうですが、
イメージと違うような気がします。

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クリストファー・ウォーケン (2007/01/19)
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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