【本】『第三の嘘』 アゴタ・クリストフ著
2007.03.31(Sat)
“双子シリーズ”三部作の最終巻。アゴタ・クリストフ著 / 堀 茂樹訳
早川書房 (2002.3)
通常2-3日以内に発送します。
早川書房 (2002.3)
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『悪童日記 / アゴタ クリストフ』、
『ふたりの証拠 / アゴタ クリストフ』に続く、“双子シリーズ”三部作の最終巻です。
三部作とは言っても、すっきりと繋がっているわけではありません。
双子が子供の頃の『悪童日記』、
その後の『ふたりの証拠』では双子の片割れの物語となり、
本作ではすべての謎が解明されます。
『悪童日記』が大変カリスマティックなインパクトがあったため、
この本作による謎解きには些かガッカリさせられました。
また、前二作品を読んでから間が空いてしまったので、
三部作を通しての矛盾点があるとすれば、それに気付くことが出来ませんでした。
でも、再び作品を読み通して矛盾点を調べようという気にはなりませんでしたし、
そんな必要性も感じませんでした。
というのも、三作品とも同じことを語ってるように思えるからです。
突然の望まない別離と悲しみと憤りと深い喪失感―。
そしてそれらが子供の心にどれだけの傷を与えるか。
あとがきによれば、三部作とも著者の実体験が反映されているようです。
故国を蹂躙される戦争を経験し、18歳にして異国に亡命した著者の、
その恐ろしい程の絶望感と悲しみと痛みと望郷の念は、
私のような異国のぬくぬくと育った者にも十分に届いており、
そういう意味においてこの三部作は傑作だったと言えると思います。
【雑誌】『月刊 flowers (フラワーズ) 2007年 05月号』 小学館
2007.03.30(Fri)
表紙は大失敗。![]() | 月刊 flowers (フラワーズ) 2007年 05月号 [雑誌] (2007/03/28) 小学館 この商品の詳細を見る |
今月号のラインナップは以下の通り。
http://flowers.shogakukan.co.jp/magazine/magazine_60.html
感想なぞつらつらと。
『黒猫が…見てる』西炯子
…普通のお話でした。
『花の記憶』波津彬子
…この人が描く英国ものは穏やかで優しくて好きではあるのですが、
どれも似たような話なのが物足りないです。
『7SEEDS』田村由美
…重苦しかったシェルター話が重苦しく終了。
やっと物語が動き出したので、これからが楽しみです。
『風光る』渡辺多恵子
…今回は妙に全員が童顔だったような。やたらと皆泣くし。
新選組同人誌だと思って読めば腹も立たないです。
細かい道具描写などは相変わらず凄いですね。
『柳の木』萩尾望都
…これは良かった。セリフなしの進行が、圧巻。 この人本当に巧い。
今月号で一番。泣きました。
『夢の真昼』吉田明美
…核家庭が普通となっている現在、
お年寄りから生きる知恵を学ぶ、というテーマ自体は悪くないと思います。
でもその表現方法と手段が古臭いように感じました。
あと登場人物達の口の描写がどうしても気になってしまいます。
『デレクとハナのシネマのレシピ』遠藤佳世
…一応映画好きとしては、毎回「ふーん」で終わる連載。
「めぐりあう時間たち」は原作本もとても良かったのでおススメです。
| めぐりあう時間たち―三人のダロウェイ夫人 マイケル カニンガム (2003/04) 集英社 この商品の詳細を見る |
『しろくまカフェ』ヒガアロハ
…絵柄は文句なく可愛いので、あとはストーリーですね。
『LEGAの13』やまざき貴子
…相変わらず目がチカチカする細かい描写。
新たなキャラクター登場でストーリーが更に進んでいくようですが、
元々どんな話でしたっけ?
絵もストーリーももっとシンプルにしたらいいのにと毎回思います。
『羽衣ミシン』小玉ユキ
…沓澤くんがいいキャラだなと思っていたら、今回は主人公。
ボスとは既に恋人同士だと思っていました。
美羽が可愛いです。
『逆さ梯子』奈知美佐子
…すべてオリジナルの話なのでしょうか。
毎回よく思いつくなと感心しきりです。
『暁のARIA』赤石路代
…亜耶子がツンデレになっちゃった…。
東海テレビの昼ドラのようなベタさがなかな良いです。
このままドロドロに突っ走っていって欲しいものです。
『ろまんが』新井理恵
…やはり恋愛主体のストーリー展開は好きになれないです。
まくまくを始めとしたギャグマンガだった時の方が面白かったなあ。
『手の中の光』幸田テツ
…肴という名前はどうなのかと。
あと登場人物達が小学生にしか見えませんでした。
でも絵柄といい全体的な雰囲気といい清潔感があって、
化けたら面白い漫画家になるかも。
婚約者がスラムダンクの仙道に見えました。
『ドリームランドEXP.』大竹サラ
…パスカル再登場!実際に会ってみたいです。
『諸葛孔明 時の地平線』諏訪緑
…ストーリー展開の説明不足で付いていけないです。
来月号の内容は以下の通り。
http://flowers.shogakukan.co.jp/magazine/magazine_150.html
岩本ナオさんの天狗話に注目しています。
創刊5周年記念別冊ふろく「フラワーZOO」が付くそうです。
★「月刊flowers」公式サイト
http://flowers.shogakukan.co.jp/
表紙裏に出ていた、
「恋愛睡眠のすすめ」という映画が面白そうだと思いました。
ガエル・ガルシア・ベルナルとシャルロット・ゲンズブールの共演で、
監督は「エターナル・サンシャイン」のミシェル・ゴンドリーです。
シャルロット・ゲンズブール、好きなのですよ。
「恋愛睡眠のすすめ」公式サイト
http://renaisuimin.com/
【雑誌】『ku:nel (クウネル) 2007年 05月号』 マガジンハウス
2007.03.21(Wed)
よそのお家の台所をのぞくのは楽しい。![]() | ku:nel (クウネル) 2007年 05月号 [雑誌] (2007/03/20) マガジンハウス この商品の詳細を見る |
今号の目次は以下の通りです。
http://kunel.magazine.co.jp/issue/
巻頭特集の「料理上手の台所」がなかなか面白かったです。
私自身料理好きなこともあって、よそのお宅の台所を見るのは結構好き。
主婦向け雑誌に掲載されるような生活感漂う台所ではなく、
かといってここでどんな料理を作るのだという高級感溢れる台所でもなく、
普通すぎず、高級すぎず、
でも若干のこじゃれた感じのある台所を選んだ辺りはなかなかお見事。
よく名前が挙げられていたのが、
デンマーク王室御用達「カイ・ボイスン」のカトラリーと、

フィンランド・イッタラ社の“ティーマ”という食器に、

「ダンスク」のお鍋とボウルでした。
「伝言レシピ」や「エブリデイ・マイ弁当。」も楽しかったです。
どちらも読むと作ってみたくなります。
| クウネルの本 伝言レシピ 高橋 みどり (2006/03/20) マガジンハウス この商品の詳細を見る |
★「エブリデイ・マイ弁当。」(クウネルサイト内)
http://kunel.magazine.co.jp/bento/
| クウネルの本 私たちのお弁当 クウネルお弁当隊 (2005/09/20) マガジンハウス この商品の詳細を見る |
この雑誌は写真が綺麗であることと、テキストがそれなりに読めること、
主婦と独身者との間を取ったバランス感覚が気に入っています。
折り詰め弁当の写真もとても綺麗で美味しそうだったな。
★「ku:nel(クウネル)」
http://kunel.magazine.co.jp/
【漫画】『百億の昼と千億の夜』 萩尾望都
2007.03.17(Sat)
われわれの―― ――存在の意味とは?
光瀬 竜著 / 萩尾 望都著
秋田書店 (1994.4)
通常2-3日以内に発送します。
秋田書店 (1994.4)
通常2-3日以内に発送します。
この漫画より先に原作となっている同名小説を読んだのですが、
その時の衝撃は今でも忘れられません。
当時中学生でしたが、
キリストや仏陀など「神様」「仏様」と素直に信じていた存在が、
更なる超越者の手駒だった―という設定には意表を付かれたと同時に、
子供心に何も疑うことなく信じていた“世界”というものが、
音を立てて崩れていくような感覚に襲われました。
こういう考え方があるのかと相当なショックを受けたものでした。
そんな作品を萩尾望都が漫画化したのがこの本です。
絵と少ない文字数で表さないといけない以上、
原作をシンプルかつコンパクトにしたという感じ。
でも逆に絵になっているからこそ原作よりも分かりやすい部分もあり、
あの壮大な原作の世界をここまで描くことが出来ているということに、
改めて感服しました。
原作を元に、新たな作品を創り上げています。
神とは、人間の存在とは、この世界とは何なのか―。
遠い昔から誰もが疑問を抱いてきたこの問いかけの答えを、
あなたも考えてみませんか。
原作小説です。ぜひとも読んで頂きたい素晴らしい作品です。
【本】『佐賀のがばいばあちゃん』 島田洋七著
2007.03.14(Wed)
本当の優しさとは、他人に気づかれずにやること。
![]() | 佐賀のがばいばあちゃん 島田 洋七 (2004/01) 徳間書店 この商品の詳細を見る |
大ベストセラーとなっているこの本。
通っている歯科医院にあったので読んでみました。
15分程度で読み終えられる内容。
著者が佐賀に住む祖母の元で暮らした、
子供から少年時代を語る形式なのですが、その文章は拙く、
思い出話自体も決して超感動物語ではありません。
「がばい=(すごい)」ばあちゃんも、
タイトルから想像されるようながばさではありません。
ただ、作品全体を通して、
古きよき日本人、日本人が元々持っていたはずの、
誠実さや優しさというものがとても温かく伝わってきました。
読むと周囲の人々に優しくなれるような、そんな本でした。
おじいさんとおばあさんがご存命の方は、
話がしてみたくなるのではないでしょうか。
してみるといいと思いますよ。
私は祖父母とは縁がなく、
かろうじて母方の祖母とのみ晩年交流がありましたが、
彼女のことが思い出されて仕方がありませんでした。
大変な苦労をした人でしたが、とてつもなく魅力的な人でした。
私も誰かに「がばい人だった」と微笑を持って思い出されるような、
そんな生き方をしたいと思いました。
【雑誌】『ダ・ヴィンチ 2007年 04月号』 メディアファクトリー
2007.03.12(Mon)
来月号からの仕切り直しを期待。![]() | ダ・ヴィンチ 2007年 04月号 [雑誌] (2007/03/06) メディアファクトリー この商品の詳細を見る |
今月号の内容は以下を参照のこと。
http://web-davinci.jp/contents/guide/index.php
うーむ、今月号は特集1も特集2も興味対象外だったので、
読むところがありませんでした。
伊原幸太郎作品は面白いのですか?
あと『ダ・ヴィンチ』がここまでTEAM NACSを推すのはなぜ?
オール新作書き下ろしの「ブンゲイ ダ・ヴィンチ」もいまみっつ。
元々連載より単行本化されてから一気読みする方が好きだし。
それから、「百年の誤読」、「クマの掌」、古田新太、嶽本野ばら、瀬尾まいこ、
ばばかよの連載が終了。
「百年の誤読」と「クマの掌」は好きだったので残念。
「コミック ダ・ヴィンチ」ではオノ・ナツメ特集。
『モーニング2 2007年 2/3号 [雑誌] / 』での、
読みきり1作品しか読んだことがないけれど、
独特の絵はとても印象に残り、他にどんな作品を描いているのか興味があったので、
なかなか参考になりました。
外国の話のイメージが強い人ですが、そんな作者が描く時代劇、
![]() | さらい屋五葉 1 (1) オノ ナツメ by G-Tools |
はちょっと読んでみたいと思いました。
「デジタル ダ・ヴィンチ」では古本関連サイトの紹介。
「あるかも〜ねBook」というサイトが面白そう。
オークション形式ではなく、会員同士で本を譲り合うというシステム。
この考え方に、本好きとしては好感が持てました。
売ろうにも値段は付かない、でも捨てるには惜しい、
という本を出すのにもってこいかも。
まだ新しいサイトのようで出品されている本の数は少ないですが、
しばらく動向を注目していきたいサイトです。
★「あるかも〜ねBook」
http://www.arcamone.net/top.php
以下は誌面で紹介されていて、面白そうかなと思った本です。
| 恋するよりも素敵なこと 上―パリ七区のお伽話 (1) アンナ・ガヴァルダ (2007/02) 学習研究社 この商品の詳細を見る |
| 恋するよりも素敵なこと 下―パリ七区のお伽話 (3) アンナ・ガヴァルダ (2007/02) 学習研究社 この商品の詳細を見る |
| アリゾナの青い風になって 新美 直 (2007/02) アップフロントブックス この商品の詳細を見る |
★「WEB ダ・ヴィンチ」
http://web-davinci.jp/
【雑誌】『yom yom (ヨムヨム) vol.2』 小説新潮三月号別冊
2007.03.10(Sat)
読みきり小説2作品でやられました。今月号は真っ白。白地に黄色い本をヨムyondaのイラストです。
内容の目次は以下を参照。
http://www.shinchosha.co.jp/yomyom/new/index.html
個人的に「やられたー&ガツンとくらった」のが2作品ありました。
沢村凛の『マダム・リーと夜明けの小人』と、
巻末を締める中短篇、乃南アサの『すてる神』です。
沢村凛という人の作品は初めて読んだのですが、
こういう話だろうなという予想をあっさりと裏切るストーリー展開と、
今の世の中においての着眼点が鋭くて、なかなか良かったです。
『マダム・リー…』も『すてる神』も、
ちょうど私くらいの年代の女性には結構くるものがあるのではないかな。
改めて自分とその環境について考えてしまったり、
軽〜く落ち込んだりもしてしまいました。
この2作品を読むことが出来ただけで、今月号は満足でした。
残念だったのが、バリー・ユアグロー。
この人はこの作品、
| 一人の男が飛行機から飛び降りる バリー ユアグロー (1999/08) 新潮社 この商品の詳細を見る |
が面白かったので名前を覚えていて、
今回久しぶりに読めると楽しみにしていたのですが…。
でも海外小説好きとしては、
これからも海外作家を紹介していって欲しいと思っています。
できたら作品を読みたいのだけれど。
石井桃子さんは百歳なのですね。凄い。
児童書をあまり読まなかった私には馴染みのない方なのですが、
掲載されている『ノンちゃん雲に乗る / 石井 桃子』の冒頭部分だけを読んでみても、
人柄が感じられる品のある言葉遣いだなと感じました。
どうぞまだまだお元気で。
あと個人的には、これ。
小沢昭一が寄席を10日間つとめた際の記録の本。読みたいです。
| 小沢昭一的新宿末廣亭十夜 小沢 昭一 (2006/06/27) 講談社 この商品の詳細を見る |
次号は6月27日発売。今度は何色の表紙なのでしょうね。
★「yom yom」(公式サイト)
http://www.shinchosha.co.jp/yomyom/index.html
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