【本】『誰がドルンチナを連れ戻したか』 イスマイル・カダレ著
2007.07.16(Mon)
『誰がお前を連れてきたのかい?』『兄のコンスタンチンよ』
![]() | 誰がドルンチナを連れ戻したか イスマイル カダレ (1994/01) 白水社 この商品の詳細を見る |
中世アルバニアのある村。
真夜中の古い屋敷に一人娘が帰って来る。
誰に連れられて帰ってきたのかと問う母親に、
娘ドルンチナが告げたのは兄コンスタンチンの名前。
しかし、コンスタンチンは3年前に死亡していた―。
“死してなお母との誓い(ベーサ)を守って妹を連れ戻した兄。”
これはアルバニアに実際に伝わる伝説だそうです。
この伝説をモチーフに、物語は展開していきます。
再会したドルンチナと母親はそろって危篤状態になってしまいます。
警備隊長ストレスはその原因を、
死んだはずの兄に連れられて帰ってきたというドルンチナの言葉にあると判断し、
本当にドルンチナが死んだ兄と共に帰ってきたのかという調査を始めます。
この謎解きに、
この事件を利用しようとするアルバニア内の二大宗教であるカトリックと正教会も絡み、
ストーリーは一転二転していきます。
ラストが良かったです。
“誰がドルンチナを連れ戻したか”という伝説を下敷きにした謎解きストーリーを通して、
著者はアルバニアという国の歴史と、
将来への展望と希望を語っていたのだということが分かるのです。
伝説と、
それを生み出した国とを効果的に組み合わせた手腕は素晴らしいと思いました。
シンプルだと思っていた話が、
一気に何枚ものベールが重ねられた話になるのです。
他の作品もぜひ読んでみたいと思いました。
★アルバニア共和国(外務省HP)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/albania/index.html
★アルバニア(Wikipedia 著者イスマイル・カダレへのリンク有)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%8B%E3%82%A2
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