【本】『エトルリアの微笑み』 ホセ・ルイス・サンペドロ著
2008.07.02(Wed)
「おまえの名前は、ブルネッティーノ、いずれブルーノになる……」
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舞台はイタリア。
病気検査のため、都会の息子夫婦の家に住むことになった老人。
老人は第二次世界大戦中パルチザンとして活躍した、典型的なイタリア男性。
女性を愛し、仲間を愛し、出身地を愛する昔気質な男。
そんな老人は都会での生活が我慢なりません。
ところが、息子夫婦の家で1歳の孫息子と初対面してから、老人の心に変化が現れます―。
はっきり言ってしまうと、よくある“頑固爺さん物語”です。
でもそんなよくある話とは一線を画している点があり、そこがこの作品の魅力だと思いました。
それは、年を取ってなお、自分にはまだ学ぶことがあるのだ!ということを、
この老人が驚きつつも喜んで受け入れているところです。
単なる“頑固爺さん”ではないのです。
都会の生活習慣や、味気ない食べ物など何もかもに毒づきながらも、
女性はしっかりエロティックな視点で眺め、優しく接し、
孫の仕草ひとつひとつに目を見張り、舐めるように溺愛する老人。
そんな頑固爺さんの姿がとても魅力的です。
特に、オルテンシアという女性と知り合ったことで、
女性を真に愛するとはどんなことなのかということを知る辺りは、
私自身が女性であることもあって大変印象的でした。
このオルテンシアという登場人物には惹きつけられました。
穏やかで優しく、愛情深い―。
こういう女性になりたいなと思わされました。
頑固爺さんの心に柔軟さと希望を与えたのは、
パルチザン時代の自分の呼び名と同じ名前を持った孫。
そんな老人に惹かれ、最後の時間を優しく包み込んだ女性。
“エトルリアの微笑み”の理由を理解することが出来た人生。
幸せな人だなと思いました。
読後感が良かったです。
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