【本】『ニューヨーク・チルドレン』 クレア・メスード著
2008.07.22(Tue)


王様の子どもたちはみな裸



ニューヨーク・チルドレンニューヨーク・チルドレン
(2008/03)
クレア・メスード

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現代のニューヨークが舞台の群像劇。
テレビ番組女性プロデューサーのダニエール、天真爛漫な美女マリーナ、
フリーライターでゲイの男性ジュリアスは、大学時代からの親友同士。
30歳になる現在も、仲の良い関係を続けています。
そこへオーストラリア人の雑誌編集者と、
田舎から出てきたマリーナの従兄弟である若者が現れたことで、
3人の友情関係に変化が訪れます―。

野心を持った者が集まる大都会ニューヨークでの、
3人それぞれの悩み、友情、仕事、恋愛と、
彼らを取り巻く周囲の人々の夫婦関係、親子関係、家族関係、について描かれています。

登場人物たちが次第に裸にされていく著者の描写はなかなかのものでしたし、
主役の3人と彼らの周囲の人々との絡みが様々な組み合わせで起こるので、
一気に読むことが出来ました。

ただ、登場人物達の苦悩が払拭されるきっかけになるのが、
9.11のテロ事件だというのが、どうなのかなあ、と。
ちょっと都合が良すぎないかなと思ってしまいました。

でも実際にあったことですし、
作品の中では大変効果的に使われてはいるのですが…。むー。

最後の締めくくり方といい、
人々の苦悩と再生の物語、といったところでしょうか。

読んでいる間は面白かったです。
今時のニューヨークの30歳はこんな感じなのかなというリアルさがありましたし、
ぐいぐいと読む進むことは出来ました。
でも、何が残ったかと言われると…。

2006年度ブッカー賞候補作。