【本】『猫のゆりかご』 カート・ヴォネガット・ジュニア著
2006.09.13(Wed)
「本書には真実はいっさいない。」

猫のゆりかご 猫のゆりかご
カート・ヴォネガット・ジュニア (1979/07)
早川書房

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作中の主人公は『世界が終末をむかえた日』という本を書く為に、
関係者達をインタビューすることにする。
それがあれよあれよという内に、あっという展開へ―。

人間を愛を込めたシニカルな視線で見詰め続ける著者の本作は、
宗教に焦点が当てられている。

登場するのが「ボコノン教」。
この架空の宗教が、この作品最大の魅力となっている。

作品全体を通して、相変わらず人間の愚かさを、
様々な手法を用いてシニカルに書いている。
訳者あとがきによれば、
「彼の小説を特徴付ける要素は、
この中にまんべんなくちりばめられている」そうだし、その通りだとは思う。

でも、私はこの作品はあまり好きではなかった。
とにかく暗すぎる。
最後の章で多少救われるけれど、
著者の要素がまんべんなくちりばめられている割には、
バランスが良くないと感じてしまった。
瘴気が強すぎるというのかな。

ヴォネガットの本はとても好きなのだが、今回は残念だった。
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