【本】『炎の眠り』 ジョナサン・キャロル著
2006.10.05(Thu)
三十数年前に死んだ男の墓に彫られた肖像は、僕の顔だった―。

炎の眠り / 浅羽 莢子、ジョナサン・キャロル 他
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ジョナサン・キャロルのダークファンタジー第三作目。

ドイツに暮らすアメリカ人ウォーカーは俳優兼脚本家。
運命の女性と出会った直後から、奇怪な事が起こり始める。
その理由を知るために会ったシャーマンのヴェナスクによって、
自分の前世を知ることになる。

ここまでが第一章「馬を盗む」で、
奇怪な出来事とヴェナスクとの触れ合いが中心になっている。

この後が第二章「おのが過剰」。
自分の前世すべてを見ることが出来るようになったウォーカーは、
己の人生を縺れさせている元凶を失くすために行動を開始する。
ここに絡んでくるのがグリム童話『がたがたの竹馬小僧』。

ウォーカーの前世と現世と、
グリム童話を巧みに交差させながら話は展開していき、
遂にラストを迎える。

感想としては、
ウォーカーの前世と現世にグリム童話を絡めたアイディアは面白かったが、
全体的にはまとまりに欠けているような気がした。
第一章と第二章とが上手く繋がっていないというのかな。
あと、この著者の描く主人公や作品世界がどうにも好きになれない。
『死者の書』といい、本人は気付いていないお坊ちゃんのナルシストタイプ。
昔の村上春樹っぽいのだ。
きっと著者もそんなタイプなのだろう。
それでもなぜかこの著者の本があと2冊あるので、
どう変わっていくのか読んでみる予定。

やたらとお洒落振るのが鼻に付く作品だが、
「馬を一緒に盗める人」
という言い回しを知ることが出来たのは良かった。いい言葉。
ドイツの言い方だそうだが、覚えておこう。
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